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デジタルサイネージ用ディスプレイのおすすめは?用途別の選び方と失敗しないポイントをプロが解説
デジタルサイネージを導入・更新する際に、多くの担当者が悩むのが「どのモニターを選べばよいのか」という点です。
一見すると画面サイズや価格だけで選べそうに見えますが、実際には 設置場所・運用時間・用途 によって、適したモニターは大きく異なります。
家庭用テレビや一般的なPCモニターを流用してしまい、「明るさが足りず見えない」「長時間稼働で故障した」「想定した運用ができなかった」といった失敗につながるケースも少なくありません。
デジタルサイネージ用ディスプレイは、商用利用を前提に設計された専用ディスプレイであり、長時間稼働や高輝度表示、安定した運用を想定して作られています。
そのため、「おすすめのディスプレイ」を探す際は、ランキングや価格だけでなく、自社の用途に合っているかどうかを基準に選ぶことが重要です。
本記事では、デジタルサイネージ用ディスプレイとテレビ、PCモニターとの違いや失敗しない選び方のポイント、用途別に見たモニター選定の考え方を紹介します。
デジタルサイネージ用ディスプレイとは?

デジタルサイネージ用ディスプレイとは、店舗・商業施設・公共施設・イベント会場などでの商用利用を前提に設計されたディスプレイのことです。
見た目は家庭用テレビやPCモニターと似ていますが、想定されている使用環境や耐久性、運用条件が大きく異なります。
デジタルサイネージでは、長時間の連続稼働や高い視認性、安定した表示が求められます。そのため、一般的なテレビやPCモニターを流用すると、表示が見えにくい、故障しやすい、運用に支障が出るといった問題が起こりやすくなります。
テレビ・PCモニターとの違い
デジタルサイネージ用モニターが商用利用に適している理由は、主に以下の点にあります。
- 長時間・連続稼働に対応している
- 高輝度で視認性が高い
- 設置方法の自由度が高い
- 商用利用を想定した耐久性・安定性
長時間・連続稼働に対応している
サイネージ用モニターは16時間以上、機種によっては24時間365日の連続稼働を前提に設計されています。
家庭用テレビは短時間視聴を想定しているため、長時間運用では劣化や故障のリスクが高くなります。
高輝度で視認性が高い
店舗の入口や明るい施設内でも情報がしっかり伝わるよう、一般的なテレビよりも高い輝度性能を備えています。
設置環境による「見えにくさ」を防ぎやすい点が特長です。
設置方法の自由度が高い
縦置き表示や壁掛け、スタンド設置など、設置環境に合わせた柔軟なレイアウトに対応できるよう設計されています。
サイネージ特有の設置条件にも対応しやすくなっています。
商用利用を想定した耐久性・安定性
不特定多数の人が行き交う場所での使用を前提としているため、放熱設計や部品の耐久性にも配慮されています。
長期間、安定して運用しやすい点も大きな違いです。
デジタルサイネージ用ディスプレイの5つの選び方

デジタルサイネージ用ディスプレイを選ぶ際は、「おすすめ機種」を探す前に、どの条件を重視すべきかを整理することが重要です。
ここでは、失敗を防ぐために押さえておきたい5つのポイントを解説します。
1. 設置場所
まず確認すべきなのが、ディスプレイを設置する場所です。屋内と屋外では、求められる性能が大きく異なります。
屋内設置の場合は、明るさや画面サイズ、設置スペースとのバランスが重要になります。一方、屋外や窓際に設置する場合は、直射日光の影響を受けやすいため、高輝度対応や耐候性が必要になります。
設置場所を明確にしないまま選定すると、「屋外なのに画面が見えない」「環境に合わず劣化が早い」といったトラブルにつながります。
2. 輝度
デジタルサイネージ用ディスプレイでは、輝度(cd/m²)が視認性を大きく左右します。
一般的な家庭用テレビと比べ、サイネージ用ディスプレイは高輝度設計になっている点が特徴です。
目安としては、次の通りです。
| 屋内:500〜700cd/m² 明るい屋内や窓際:700cd/m²以上 屋外・直射日光下:1,500cd/m²以上 |
用途に対して輝度が不足していると、せっかく設置しても情報が伝わりません。
3. 画面サイズと視認距離
モニターのサイズは、視認距離と設置環境を基準に選ぶ必要があります。
画面が小さすぎると情報が読めず、大きすぎると圧迫感が出てしまいます。
一般的な目安としては、次の通りです。
| 近距離(受付・店頭):32〜43インチ 中距離(売り場・ロビー):49〜55インチ 遠距離(商業施設・ホール):65インチ以上 |
設置場所の広さや視線の高さも考慮しながら、最適なサイズを検討しましょう。
4. 連続稼働時間
デジタルサイネージは、長時間稼働することが前提となるケースが多くあります。
そのため、ディスプレイが何時間の連続稼働に対応しているかを必ず確認しましょう。
短時間運用であれば16時間対応モデルでも問題ありませんが、商業施設や公共空間などでは、24時間連続稼働(24/7)対応モデルが適しています。
稼働時間に合わないディスプレイを選ぶと、寿命の短縮や故障につながります。
5. 表示方法・機能
最後に、どのような表示方法や機能が必要かを確認します。
縦置き表示が必要な場合は、縦設置対応モデルを選ぶ必要があります。また、案内や体験型コンテンツを想定している場合は、タッチ対応モニターも選択肢になります。
あわせて、CMS(コンテンツ管理システム)との連携や、将来的な拡張性も考慮しておくと、後から運用がしやすくなります。
用途別|デジタルサイネージ用ディスプレイのおすすめ
| 利用シーン | 推奨サイズ | 抑えるべきポイント |
|---|---|---|
| 店舗・受付 | 32〜43インチ | 視認性・タッチ対応 |
| 商業施設・ロビー | 49〜65インチ以上 | 高輝度・24/7対応 |
| 展示会・イベント | 32〜55インチ | 搬入性・レンタル |
| 屋外・窓際 | 高輝度モデル | 防塵・防水対応 |
| タッチ用途 | タッチ対応モデル | 精度・操作性 |
デジタルサイネージ用ディスプレイは、設置場所や目的によって最適な機種が変わります。ここでは代表的な利用シーンごとに、どのようなディスプレイが適しているかを解説します。
① 店舗・受付・案内用途

導入事例:うなぎ専門店 うなぎ徳 様
この用途では、視認距離が比較的短く、細かい情報や案内を見せたいケースが多くあります。そのため、モニターは以下のポイントを押さえると失敗しません。
- 32〜43インチ程度の中小型サイズ
- 明るさ(輝度)は屋内想定で十分
- タッチ操作対応モデルがあればインタラクティブ性もアップ
こうした環境では、視認性と場所とのバランスが取れたサイズ感のディスプレイが最適です。
② 商業施設・ロビー・共用部

導入事例:コマカントリー 様
商業スペースやロビーなどでは、遠くからの視認性・高輝度・長時間稼働対応が求められます。特に複数拠点での統一感が重要な場合は、共通仕様での選定が有効です。
- 49〜65インチ以上の中〜大型サイズ
- 屋内でも見やすい高輝度
- 24時間稼働対応モデル
この用途では、視認性と安定性が優先されるため、商業用途に特化したモデルが向いています。
③ 展示会・イベント会場

導入事例:ソフトバンク 様
展示会やイベントのデジタルサイネージは、短期設置・人の動きが多い場所・コンテンツ主導であることが特徴です。汎用性の高いモニターと、設置や撤去が容易なフットワークの軽さを重視しましょう。
- 32〜55インチ程度(搬入しやすい)
- スタンド設置対応モデル
- 一時的なレンタルにも対応可能
イベント用途では、レンタルで済ませる選択肢も有効です。導入コストを抑えつつ、最適な表示環境を実現できます。
④ 屋外・窓際設置

導入事例:ゴルフスタジオFOLE GOLF(フォーレ ゴルフ)豊洲・東雲 様
屋外や窓際は、太陽光による映像の見えにくさ・耐候性が大きな課題になります。こうした環境では屋内用と比べて高い輝度や防塵・防水設計が求められます。
- 1,500cd/m²以上の高輝度
- 防水・防塵対応
- 直射日光下でも見えやすい設計
屋外用途では、一般的なディスプレイでは対応できないケースが多いため、屋外向け仕様モニターを選ぶことが重要です。
⑤ タッチ・インタラクティブ用途

導入事例:住宅展示場様
ユーザーの操作を前提としたコンテンツや体験型サイネージでは、タッチ対応モニターが向いています。
- マルチタッチ対応
- 手汗や指紋に強い表面処理
- 人通りの多い場所でも反応しやすいタッチ精度
単純な案内だけでなく、商品検索や体験型コンテンツを設計する場合は、インタラクティブ性を高めるモデルが選択肢になります。
デジタルサイネージ用ディスプレイ選びでよくある失敗

デジタルサイネージ用ディスプレイは、見た目や価格だけで選んでしまうと、導入後に思わぬトラブルが起こりやすくなります。
ここでは、実際によく見られる失敗例を紹介します。
家庭用テレビや一般的なPCモニターを流用してしまう
「画面を表示するだけならテレビでも問題ないのでは」と考え、家庭用テレビやPCモニターを流用してしまうケースは少なくありません。しかし、これらは長時間・連続稼働を前提に設計されていないため、画面の焼き付きや故障、寿命の短縮といったリスクが高くなります。
特に店舗や施設で常時表示する場合は、商用利用を前提としたデジタルサイネージ用モニターを選ぶことが重要です。
輝度が足りず、画面が見えにくい
設置後に「思ったより画面が暗くて見えない」という失敗もよくあります。屋内であっても、入口付近や窓際、照明が強い場所では、家庭用テレビと同程度の輝度では不十分な場合があります。
設置環境を十分に想定せずに選定すると、せっかく設置しても情報が伝わらない状態になってしまいます。
画面サイズが設置環境に合っていない
画面サイズの選定ミスも典型的な失敗例です。小さすぎると文字や映像が読み取れず、大きすぎると圧迫感が出たり、設置が難しくなったりします。
視認距離や設置場所を考慮せずにサイズを決めてしまうと、「見えにくい」「使いづらい」サイネージになってしまいます。
稼働時間を考慮せずに選んでしまう
デジタルサイネージは、営業時間中ずっと稼働させるケースが多く、連続稼働時間への対応可否が重要になります。短時間利用を想定したモニターを長時間運用すると、故障や不具合の原因になります。
設置後に「24時間稼働できなかった」「想定より早く壊れた」とならないよう、稼働時間の条件は必ず確認しましょう。
ディスプレイ単体で完結すると考えてしまう
ディスプレイ選びに集中しすぎて、配信方法や運用体制を後回しにしてしまうのもよくある失敗です。実際には、コンテンツの更新や管理、CMSとの相性、保守体制まで含めて考える必要があります。
モニターはあくまでサイネージを構成する要素の一つであり、運用まで見据えた選定が重要です。
このような失敗を防ぐためには、「おすすめ機種」を探すだけでなく、設置環境・稼働条件・運用方法を整理したうえで選ぶことが欠かせません。
デジタルサイネージ用ディスプレイは購入とレンタル、どちらを選ぶべき?
| 選択肢 | 向いている状況 | 特徴 |
|---|---|---|
| 購入 | 長期常設・分析運用 | 初期費用は高いが自由度・拡張性が高い |
| レンタル | 短期イベント・検証 | 初期費用を抑えられ、フレキシブル |
購入が向いているケース
購入は、デジタルサイネージを常設で長期間運用する場合に適しています。
一度導入すれば継続的に使用できるため、長期的にはコストを抑えやすくなります。また、CMSとの連携や表示仕様のカスタマイズなど、運用面での自由度が高い点も特徴です。
一方で、初期導入コストがかかることや、故障時の対応、保守体制を自社で検討する必要がある点には注意が必要です。
中長期の利用を前提とし、運用設計まで含めて検討できる場合には、購入が現実的な選択肢になります。
レンタルが向いているケース
レンタルは、短期間の利用や検証目的に適しています。
展示会やイベント、期間限定のプロモーションなどでは、初期費用を抑えながら必要な期間だけ利用できる点がメリットです。
また、初めてデジタルサイネージを導入する場合、実際の見え方や設置感、運用負荷を確認するためにレンタルを活用するケースもあります。
ただし、長期間利用すると購入よりもコストが高くなる可能性があるため、利用期間はあらかじめ想定しておく必要があります。
デジタルサイネージはディスプレイだけでなく「運用」まで考える

デジタルサイネージの導入では、ディスプレイ選びに意識が向きがちですが、実際の成果を左右するのは導入後の運用です。
どれだけ性能の高いディスプレイを選んでも、運用がうまく回らなければ、サイネージ本来の効果は発揮できません。
デジタルサイネージは、設置して終わりではなく、情報を更新し続けるメディアです。そのため、コンテンツの配信方法や更新頻度、管理体制まで含めて考える必要があります。
例えば、
- 誰が、どのタイミングでコンテンツを更新するのか
- 複数拠点に設置した場合、どのように一元管理するのか
- 表示内容の変更やトラブルが発生した際に、すぐ対応できるか
といった点は、導入前に整理しておきたいポイントです。
また、CMS(コンテンツ管理システム)との相性や、ネットワーク環境、将来的な拡張性も重要になります。モニター単体で完結する運用は少なく、配信・管理・保守を含めた全体設計が求められます。
運用まで見据えて設計しておくことで、
「更新が手間で使われなくなる」
「トラブル時に対応できず停止したままになる」
といった失敗を防ぐことができます。
デジタルサイネージを有効に活用するためには、ディスプレイ選定と同時に、どのように運用していくかを考えることが重要です。
まとめ|デジタルサイネージのディスプレイ選びで失敗しないために
デジタルサイネージ用ディスプレイは、設置場所・視認距離・稼働時間・運用方法といった条件を整理し、自社の用途に合ったディスプレイを選ぶようにしましょう。
商用利用を前提としたデジタルサイネージ用ディスプレイを選び、あわせて購入かレンタルか、どのように運用していくかまで考えることが重要です。
また、デジタルサイネージは設置して終わりではなく、継続的に情報を発信し、改善していくメディアです。
デジタルサイネージの導入やディスプレイ選定に迷った場合は、機器選定だけでなく、設計から運用まで相談できるパートナーかどうかという視点で比較するのも一つの方法です。
株式会社プロテラスでは、LEDビジョンおよびデジタルサイネージの累計設置実績40,000面以上の経験をもとに、設置環境や目的に応じたモニター選定から、運用を見据えた導入支援まで行っています。
「どのモニターを選ぶべきか分からない」「まずは検証から始めたい」といった段階でも、条件整理から相談することで、導入後の失敗リスクを抑えることができます。
デジタルサイネージのディスプレイの導入・見直しを検討している場合は、運用まで含めて長く活用できるかどうかを基準に検討してみてはいかがでしょうか。
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