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デジタルサイネージとは?種類や効果のほか、仕組みやメリットも紹介
近年、街中のビル壁面や店舗の入口、駅構内などで目にすることが増えた「デジタルサイネージ」。
動きのある映像や情報をリアルタイムで発信できるため、紙媒体に代わる情報発信手段として多くの企業・自治体が導入を進めています。しかし、いざ導入しようとすると「どの機器を選べばいいの?」「配信の仕組みは?」「費用は?」など、疑問も多いはずです。
本記事では、デジタルサイネージの基本的な仕組みから、表示方式・設置形態の種類、配信方式の違い、業種別の活用方法、導入メリット・注意点、導入フロー、補助金情報まで解説します。
- デジタルサイネージとは?LEDビジョンとの違い
- デジタルサイネージの種類や効果とは?設置形態やデザイン別に紹介
- デジタルサイネージを設置・運用するために必要なものとは?
- デジタルサイネージの配信方式の種類とそれぞれの配信の流れを解説
- どの配信方法・設置形態を選ぶべき?業種別デジタルサイネージのおすすめはこれ
- デジタルサイネージの導入により見込める効果
- デジタルサイネージのメリット
- デジタルサイネージのデメリット・導入時の注意点
- デジタルサイネージ導入の成功事例に学ぶ!失敗しない導入ポイント
- 2025年時点でデジタルサイネージ導入に使える補助金・助成金とは?
- プロテラスのデジタルサイネージの導入の流れ
- デジタルサイネージに関するよくある質問
- まとめ
デジタルサイネージとは?LEDビジョンとの違い

デジタルサイネージとは、ディスプレイやプロジェクターなどの映像機器を使って、情報・広告・案内などのコンテンツを表示する仕組みのことです。
従来のポスターや看板の代わりに、デジタル映像を用いることで、視認性や情報更新性に優れた表現が可能になります。
主な利用場所としては、
- 商業施設
- 飲食店
- 駅・空港・病院
- オフィス・ホテル・展示会 など
表示コンテンツも静止画・動画・アニメーション・リアルタイム情報など多様で、クラウドCMSを活用すれば複数拠点の一括管理も可能です。
LEDビジョンとの違い
「LEDビジョンって、デジタルサイネージのこと?」と疑問に思う方も多いかもしれません。実は、LEDビジョンはデジタルサイネージの表示方式の一つ。
つまり、デジタルサイネージという大きなカテゴリの中に、LEDビジョンが含まれるイメージです。
デジタルサイネージとは、電子的な表示機器を使って情報を発信する仕組み全般を指します。その表示方式はさまざまで、設置場所や用途に応じて使い分けられます。
【デジタルサイネージの表示方式の種類】
表示方式 | 主な利用シーン | 特徴 |
---|---|---|
LCD液晶ディスプレイ | 駅・商業施設・屋内店舗 | 高解像度で価格も比較的安価。屋内向き。 |
LEDビジョン | 屋外広告・大型ビジョン・球体演出など | 高輝度で遠くからも視認性が高く、屋外でも使用可能。 |
可動式電子ポスター | 店舗の棚札・案内板など | 省電力で太陽光下でも視認性が高い。長時間表示に適している。 |
プロジェクション | イベント会場・壁面・床面など | 空間演出向き。設置の自由度は高いが明るい場所は不向き。 |
このように、LEDビジョンは、特に屋外や大規模な演出に向いた表示デバイスとして位置付けられます。屋内サイネージには液晶、演出型にはプロジェクション、省電力が必要な場面では電子ペーパーなど、シーンに応じて最適な表示方式を選ぶことが重要です。
デジタルサイネージの種類や効果とは?設置形態やデザイン別に紹介
デジタルサイネージは、表示方式や設置場所によってさまざまな種類があります。ここでは、代表的な表示方式ごとに特徴や適した活用シーンを解説します。
LCD液晶ディスプレイ

【設置形態の種類】

スタンド型(自立型)液晶ディスプレイ
可動性が高く、店舗前やイベント会場などに最適。移動やレイアウト変更も容易。

壁掛け型液晶ディスプレイ
空間をすっきりと見せるのに効果的。オフィス・病院・施設などで多用。

ビデオウォールディスプレイ
壁と一体化したデザイン性重視の設置方法。ホテルロビーや高級施設で導入されることが多い。

タッチパネル型ディスプレイ
タッチ操作に対応したディスプレイで、画面に直接触れることで直感的な操作が可能。施設案内、フロア検索、製品紹介、教育現場などで使用されます。
LCD液晶ディスプレイは、液晶パネルを使用した最も一般的な表示方式であり、駅構内や商業施設、店舗の屋内など、さまざまな場所で広く活用されています。
高解像度で鮮明な映像を表示できるのが特徴で、文字情報から写真・動画まで、幅広いコンテンツに対応可能です。さらに、比較的導入コストが抑えられ、コンテンツの自由度も高いことから、コストパフォーマンスに優れた選択肢として多くの現場で採用されています。
具体的な活用シーンとしては、店頭のPOP(販促表示)や館内の案内板、病院やオフィスの待合スペースでの情報提供などが挙げられます。視認性と設置のしやすさを兼ね備えた、汎用性の高いサイネージです。
LEDビジョン(LEDディスプレイ)

【設置形態の種類】

透過LEDビジョン
透過性のあるメッシュタイプのLEDビジョンは、透過率と薄さが特徴。内部のディスプレイされた展示物も見えるのでショーウィンドウなどの設置に最適です。

キューブ型LEDビジョン
キューブ型ユニットを組み合わせることで、自由な形状デザインが可能なLEDビジョン。
空間演出のアクセントとしてはもちろん、商品ディスプレイや屋外サインなど、多彩な用途に対応し、表現の幅が広がります。

湾曲LEDビジョン
シリコンを利用した自由自在に曲がるLEDビジョンです。薄くて軽いので、円柱や球体、湾曲した建造物など、さまざまな形状の建造物や場所に対応可能です。

球体LEDビジョン
球体の表面にLEDディスプレイが配置されています。360度の視界から映像やメッセージを視聴者全体に情報を伝えることが可能です。

円盤LEDビジョン
屋内用円盤型のLEDビジョン。 四角いビジョンとはまた違う印象で、用途の幅が広がります。

円形LEDビジョン
サークル状にLEDビジョンを配置することにより、視覚的な魅力と機能性を兼ね備えたディスプレイソリューションとして多くの場面で利用されています。

床面LEDビジョン
床面に映像演出可能なLEDビジョンです。設置環境によっては、ただ映像を流すだけではなく人の動きに合わせた演出でインタラクティブ機能を付けることも可能です。
LEDビジョンは、高輝度で視認性に優れた表示方式で、特に屋外での使用に適しています。太陽光の下でも鮮明な映像を表示できるため、昼夜を問わず高い視認効果を発揮します。
また、サイズや形状の自由度が高いのも大きな特徴で、従来の平面型に加えて、球体型や透過型などの特殊形状にも対応可能です。そのため、ダイナミックな映像表現が求められる場面に多く採用されています。
具体的な活用例としては、屋外の大型広告ビジョンやイベント会場での映像演出、スタジアムのスコアボードや演出モニターなどが挙げられます。遠くからでも目を引くインパクトがあるため、広告効果や情報伝達力の高いサイネージとして注目されています。
可動式電子ポスター
【設置形態の種類】

電子ポスター
電子ポスターは簡易的に設置が可能なデジタルサイネージです。USB・Wi-Fiなどを利用して簡単情報更新、液晶ディスプレイのサイズラインナップから複数を組み合わせて様々な演出が可能です。
電子ペーパー型サイネージは、電子書籍リーダーなどにも使われている電子ペーパー技術を応用した表示方式です。バックライトを使用せず反射光で表示するため、消費電力が非常に少なく、長時間の静止画表示に最適です。
また、太陽光の下でも視認性が高く、発熱が少ないという特長があり、静音性が求められる空間や、電源確保が難しい場所でも問題なく運用できます。頻繁な動画再生や光の演出には向きませんが、情報を常に見せておきたい用途には非常に効果的です。
具体的な活用例としては、小売店での電子棚札、会議室の使用状況表示、病院や図書館など静かな環境での案内板などが挙げられます。シンプルかつ省エネで、実用性の高いサイネージとして注目されています。
プロジェクション型サイネージ
【設置形態の種類】
- 床面投影型
来場者の動きに反応するインタラクティブ演出に活用。モールやキッズエリアに最適。 - 壁面投影型
空間を映像で演出可能。展示会やアートイベントで使用されることが多い。 - 天井投影型
非接触で映像を楽しめる演出。寝具売場や癒し空間などでも導入実績あり。
プロジェクション型サイネージは、プロジェクターを使って壁面や床面などに映像を投影するタイプのサイネージです。スクリーンが不要で、平らな面があれば映像を映し出せるため、設置の柔軟性が非常に高いのが特徴です。
また、映像に触れずに楽しめる非接触型の演出が可能な点も注目されており、感染症対策が求められる場面でも活躍しています。プロジェクターさえ設置すれば、広範囲に映像を表示できるため、空間全体を使った演出や案内表示にも適しています。
主な活用例としては、イベント会場での空間演出や、床面への誘導サイン、壁面を活用した没入型映像演出などがあり、来場者の印象に残るインタラクティブな体験を提供できます。
デジタルサイネージを設置・運用するために必要なものとは?
デジタルサイネージを効果的に運用するためには、ディスプレイ本体だけでなく、複数の機器やシステムが必要です。
ここでは、導入にあたって最低限必要な要素をわかりやすく整理します。
1. 表示機器(ディスプレイ)

最も基本的な要素が表示用ディスプレイです。液晶(LCD)、LEDビジョン、電子ペーパーなど、表示方式によって性能や用途が異なります。設置環境(屋内・屋外)やコンテンツ内容に応じて、適したタイプを選ぶことが重要です。
2. STB(セットトップボックス)

STBは、ディスプレイにコンテンツを表示させるための制御装置です。ネットワーク接続を通じてコンテンツの更新・再生を行い、USBやHDMI経由でディスプレイに接続します。高機能なSTBでは、タイマー設定や分割表示なども可能です。
3. CMS(コンテンツ管理システム)

CMS(Content Management System)は、コンテンツの配信・更新を管理するためのシステムです。複数台のサイネージを一元管理できるクラウド型CMSを導入すれば、遠隔地でもスムーズに情報を更新できます。
デジタルサイネージの配信方式の種類とそれぞれの配信の流れを解説
項目 | スタンドアローン型 | ネットワーク配信型 |
配信方式 | スタンドアローン型 | ネットワーク配信型 |
通信環境 | 不要 | 必要 |
更新方法 | USBなどで手動 | クラウドCMSで遠隔 |
初期コスト | 低め | 中〜高 |
メンテ性 | △ | ◎ |
適した用途 | 単体端末、小規模店舗、固定表示 | 複数拠点運用、リアルタイム更新が必要な業種 |
デジタルサイネージは、コンテンツの配信方法によって運用体制や対応範囲が大きく変わります。
主に3つの方式があり、それぞれに特徴と配信フローがあります。用途や設置場所に合わせて、最適な方式を選ぶことが重要です。
スタンドアローン型(オフライン型)

項目 | スタンドアローン型 |
---|---|
配信方式 | スタンドアローン型 |
通信環境 | 不要 |
更新方法 | USBなどで手動 |
初期コスト | 低め |
メンテ性 | △ |
適した用途 | 単体端末、小規模店舗、固定表示 |
スタンドアローン型は、インターネットに接続せず、USBメモリやSDカードなどの記録媒体を使ってコンテンツを手動で更新する方式です。
この方式の特徴は、通信環境を必要としないため構成がシンプルで、ネットワークセキュリティのリスクも少ないという点にあります。設置場所にネット回線がない場合や、一部店舗・小規模施設などで一時的な表示を行いたい場合に有効です。
ただし、コンテンツを更新する際には現地で直接操作する必要があるため、遠隔地に多数の端末を設置するような運用には向いていません。
運用コストは比較的低く抑えられるものの、即時更新や一括管理には対応できないため、表示内容が固定的な場面での使用が中心となります。
スタンドアローン型の配信の流れ
- ①パソコンで動画や静止画などのコンテンツを作成
- ②USBメモリなどに保存
- ③デジタルサイネージのSTBまたはディスプレイに挿入
- ④自動再生・ループ表示
ネットワーク配信型(オンライン型)

項目 | ネットワーク配信型 |
---|---|
配信方式 | ネットワーク配信型 |
通信環境 | 必要 |
更新方法 | クラウドCMSで遠隔 |
初期コスト | 中〜高 |
メンテ性 | ◎ |
適した用途 | 複数拠点運用、リアルタイム更新が必要な業種 |
ネットワーク配信型は、クラウド型のCMS(コンテンツ管理システム)を利用し、インターネットを通じてコンテンツを遠隔配信する方式です。
この方式の最大の特徴は、複数の拠点に設置されたサイネージを一括で管理・更新できるという点です。管理画面上から配信スケジュールの設定やコンテンツの差し替えが可能で、時間帯・曜日ごとの出し分けも柔軟に行えます。
さらに、リアルタイムにコンテンツの切り替えができるため、最新情報や緊急告知の発信にも対応できます。
一方で、安定したネットワーク環境の整備や、CMSとの連携が前提となるため、初期設定や管理体制の構築にはある程度の知識と手間が必要になります。
ネットワーク配信型の配信の流れ
- ①CMS上でコンテンツを登録・スケジュール設定
- ②CMSからネット経由でSTBへ配信指示
- ③STBが受信して、ディスプレイに表示
- ④定期的に自動更新・同期が行われる
どの配信方法・設置形態を選ぶべき?業種別デジタルサイネージのおすすめはこれ

導入する業種によって、最適な配信方式と設置形態の組み合わせは異なります。
ここでは業種別に見た、おすすめの配信方式とその理由を解説します。
小売店・飲食店
おすすめ:ネットワーク配信型+スタンド型(自立型)液晶ディスプレイ
新商品やキャンペーン情報の頻繁な更新が必要なため、遠隔で一括管理できるネットワーク型が最適です。省スペースで単体表示するメニュー看板などは、スタンドアローン型でコストを抑えることも可能です。
また、入り口にスタンド型(自立型)液晶ディスプレイを置くことで集客にも寄与できるでしょう。
商業施設・ショッピングモール
おすすめ:ネットワーク配信型+タッチパネル型ディスプレイ
施設全体で統一感のある情報発信を行うために、複数拠点の一括管理が可能なネットワーク配信型が理想です。
フロア案内や店舗検索では、タッチパネル型のインタラクティブサイネージが効果を発揮します。
オフィス・会議室・公共施設
おすすめ:スタンドアローン型+壁掛けやスタンド型ディスプレイ
頻繁な更新が不要な会議室スケジュール表示や施設案内では、省電力で静音性の高い電子ペーパー型が有効です。
壁掛けやスタンド型ディスプレイが適しています。
イベント・展示会・エンタメ業界
おすすめ:ネットワーク配信型+LEDビジョン
空間演出や体験型コンテンツに強いLEDビジョンが最適です。
来場者の動きに合わせて演出を変えるなど、エンタメ性の高い演出が可能です。
屋外広告・大型施設
おすすめ:ネットワーク配信型+LEDビジョン
遠距離からでも視認性が高く、天候にも強いLEDビジョンが必須です。
CMSによる遠隔更新で、複数施設の一括管理にも対応できます。
デジタルサイネージの導入により見込める効果

デジタルサイネージを導入することで、紙媒体や従来の看板では得られないさまざまな効果が期待できます。
情報発信力の向上だけでなく、業務効率や顧客体験の面でも大きなメリットがあります。
視認性・注目度の向上
動きのある映像や明るいディスプレイは、通行人や来店客の目を引きやすく、広告や情報が自然に視界に入ります。
特にLEDビジョンや大型ディスプレイでは、遠くからでも認識されやすく、高い訴求効果が期待できます。
タイムリーな情報更新が可能
従来のポスターや看板では、更新に手間やコストがかかっていましたが、デジタルサイネージではコンテンツを即時に差し替えることができます。
キャンペーンやイベント情報をリアルタイムで表示できるため、「今届けたい情報」をタイミングよく発信できます。
コンテンツの出し分け・多言語対応
ネットワーク型のサイネージでは、時間帯や天候、店舗ごとに表示内容を切り替えることができます。
さらに、外国人観光客向けに多言語表示を組み込むことも可能で、ターゲットに合わせた柔軟なコンテンツ運用が実現します。
業務の効率化・省人化
店舗スタッフが口頭で案内していた情報や、紙で配っていたチラシの内容をサイネージに置き換えることで、接客負担を軽減できます。
特に病院や公共施設などでは、スタッフの代わりに情報案内を担う「無人サポートツール」としての活用も進んでいます。
ブランド価値・空間演出の向上
洗練された映像表現や美しいビジュアルは、企業や店舗のブランドイメージを強化します。
プロジェクションや球体ディスプレイなどを使った演出は、非日常感や話題性を生み、来場者の記憶にも残りやすくなります。
データ連携によるマーケティング活用
人感センサーやカメラと連携すれば、サイネージの前に立った人の性別や年齢層に応じて最適な広告を表示したり、閲覧数などのログを収集してマーケティングに活用したりすることも可能です。
“見せるだけ”から“効果を測る”時代へと進化しています。
デジタルサイネージのメリット

デジタルサイネージの導入は、単なる“紙媒体の代替”にとどまらず、マーケティングや業務効率化の面でも多くのメリットをもたらします。ここでは、代表的なメリットを詳しく解説します。
1. 表現力の高さで訴求力アップ
静止画に比べて、動画やアニメーションを活用できるため、目を引く動きのあるコンテンツで高い訴求力が得られます。音声や効果音を加えることで、さらに印象的な演出も可能です。
2. コンテンツの更新が簡単・スピーディー
クラウドCMSを使えば、パソコンやスマホから即座に内容を更新できるため、季節ごとのキャンペーンやイベント情報の配信も柔軟に対応できます。印刷コストや張り替え作業の手間も不要になります。
3. 多拠点でも一括管理が可能
ネットワーク型のサイネージを導入すれば、複数店舗や拠点に設置した端末を一元管理できます。同じ内容を同時に配信したり、地域ごとに出し分けたりと、運用の自由度が広がります。
4. 時間帯・天気・属性などでの出し分けが可能
サイネージは、曜日・時間帯・天候・ユーザー属性などに応じてコンテンツを切り替えることができます。これにより、よりターゲットに刺さる情報を届けることができ、販促効果が向上します。
5. コスト削減と業務負担の軽減
紙の印刷・掲示・回収といったアナログ作業が不要になるため、人件費や資材費の削減につながります。また、スタッフの説明業務を代替する使い方もできるため、接客負担の軽減にも有効です。
6. 環境配慮・持続可能な情報発信
ポスターやチラシなどの紙資源を削減でき、環境に配慮したサステナブルな情報発信が可能です。SDGsに取り組む企業や自治体にとっても、評価されやすいツールです。
デジタルサイネージのデメリット・導入時の注意点

デジタルサイネージは多くのメリットがある一方で、導入前に知っておくべき注意点やデメリットも存在します。
ここでは、実際に運用する際に発生しやすい課題や、検討すべきポイントをまとめました。
1. 初期コストがかかる
表示ディスプレイやSTB(セットトップボックス)、CMSの利用料、設置工事など、導入時にはある程度まとまったコストが発生します。
特に大型サイネージや屋外設置の場合は、ハードウェアの性能や耐久性も求められるため、価格が上がる傾向があります。
2. ネットワーク環境の整備が必要
ネットワーク配信型を選ぶ場合、安定した通信環境の確保が前提となります。
Wi-Fiや有線LANの敷設工事が必要になるケースもあり、設置場所によっては時間とコストがかかる可能性があります。
3. コンテンツ制作・運用の手間
デジタルサイネージは「設置して終わり」ではなく、定期的なコンテンツの更新やメンテナンスが必要です。
特にCMSを活用する場合は、操作方法の理解や担当者の配置も必要で、社内の運用体制を整えておくことが重要です。
4. 故障・トラブル時の対応が必要
デバイスのトラブルやソフトウェアの不具合が起きた場合、紙のポスターのようにすぐに差し替えることはできません。
メンテナンス契約やサポート体制がある事業者を選ぶなど、故障時のリスク管理も重要な検討ポイントです。
5. 設置場所によっては景観・条例への配慮も
屋外に設置する場合は、周囲の景観や自治体の屋外広告物条例に抵触しないか注意が必要です。
LEDビジョンの明るさやサイズ、設置角度によっては、許可申請や調整が必要になるケースもあります。
デジタルサイネージ導入の成功事例に学ぶ!失敗しない導入ポイント

デジタルサイネージは、ただ設置するだけでは期待する効果は得られません。成果を上げている企業や店舗には共通した成功要因があります。
ここでは、実際の導入事例をもとに、失敗しないためのポイントを4つに分けて解説します。
導入目的とターゲットを明確にする
まず最も重要なのは、サイネージを「なぜ導入するのか」という目的と、「誰に伝えるのか」というターゲットをはっきりさせることです。
例えば、ある飲食チェーンでは、昼と夜で客層が異なることに着目し、時間帯に応じてメニュー表示を切り替えるデジタルサイネージを導入しました。
これにより、回転率と注文単価が同時に向上するという成果を上げています。ターゲットと表示内容の一致が、効果的な活用には欠かせません。
設置環境に適した機器を選ぶ
次に、表示する場所に合った機器選定も重要です。屋外で使用する場合は、太陽光の下でも見える高輝度のLEDビジョン、屋内であれば高解像度の液晶パネルが適しています。
表示面積や設置高さによっても最適なサイズや明るさは変わります。
たとえば商業施設の通路では、吊り下げ型や縦長ディスプレイを用いて視認性を高めた成功事例があります。設置場所と表示内容の相性を考慮することが、伝わるサイネージ運用の基本です。
コンテンツ運用の体制を整える
サイネージは「導入して終わり」ではありません。定期的なコンテンツ更新が求められるため、社内での運用フローを事前に設計しておく必要があります。
更新頻度、担当者、CMSの操作ルールなどを明確にすることで、属人化を防ぎ、スムーズな運用が可能になります。
小売業界では、本部が全店舗のサイネージを一括管理することで、スタッフの負担を減らしながら販促力を最大化しているケースもあります。
サポート体制が整った業者を選ぶ
導入後のトラブル対応やメンテナンスのことまで考慮して、業者選びを行うことも重要です。
万が一の機器故障や表示不具合に備えて、迅速な対応ができる保守体制を持ったパートナーを選ぶことで、長期的に安定した運用が可能になります。
価格やスペックだけで判断せず、導入後の伴走支援や問い合わせ対応の質も、選定時の大きな判断基準となります。
2025年時点でデジタルサイネージ導入に使える補助金・助成金とは?
補助金・助成金名 | 対象者 | 補助率 | 上限額 | 主な用途 |
新事業進出補助金 | 中小企業 | 1/2(条件により2/3) | 最大9,000万円 | 新市場開拓、設備・サイネージ導入支援 |
小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者 | 2/3(赤字時3/4) | 上限250万円 | 販促・広告・サイネージ制作費など |
IT導入補助金 | 中小企業・小規模事業者 | 1/2~最大3/4 | 最大450万円 | クラウドCMS・機器購入・保守含む |
省力化投資補助金 | 中小企業等 | 2/3~1/2 | 最大1億円 | DX・省力化設備(サイネージ含む) |
ものづくり補助金 | 中小企業等 | 1/2~2/3 | 最大4,000万円 | IoT付き高機能サイネージ等 |
デジタル田園都市交付金 | 自治体 | 最大70% | 変動(地域要件による) | 観光・防災案内など公共向け |
地方自治体DX補助金 | 地域公共組織 | 各自治体により異なる | 各制度に準じる | 特定地域のDX推進 |
2025年時点でデジタルサイネージ導入に活用できる主な補助金・助成金情報です。業種・規模に応じた最適な支援制度をご検討ください。
中小企業におすすめの補助金
中小企業新事業進出補助金
新市場開拓を目的とした大型補助金で、サイネージ導入にも対応しています。最大9,000万円(通常7,000万円)が補助対象とされ、設備費や広告費、クラウド利用料にも使えます。
小規模事業者持続化補助金
商工会議所が窓口で運営する小規模向け補助金です。補助率2/3(赤字事業者で3/4)、上限最大250万円で、サイネージ本体や制作費に対応します。
IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)
IT化支援制度で、サイネージ導入に強く、クラウドCMSやハード機器を含め最大450万円まで補助可能。補助率は1/2~最大3/4。連携拡充枠で、中小企業はハード込みで高い補助率が適用されます 。
大型設備・省力化を目指す中小企業へ
中小企業省力化投資補助金
設備投資による省力化を支援。サイネージも登録対象になり得ます。補助率は2/3~1/2、補助上限は中小企業で最大1億円。
ものづくり補助金
高付加価値を目指す設備やサービス導入に対応。IoTや高度な連携を含むサイネージは最大4,000万円まで補助対象に 。
自治体向け支援
デジタル田園都市国家構想推進交付金
観光案内や防災情報配信目的等、公共用途で活用可能。補助率最大70%と高率。
各自治体DX補助金
地方自治体ごとに補助金や助成金があり、特定地域のDX推進にサイネージが活用できるケースがあります 。
【POINT】 補助金を活用するにあたっては、まず募集時期や対象要件をしっかりと確認し、早めに申請準備を進めることが重要です。 多くの制度では、GビズIDの取得や事業計画書の作成が必要となるため、余裕をもってスケジュールを組む必要があります。 IT導入補助金の場合は、登録されたIT導入支援事業者を通じての申請が基本となり、ものづくり補助金などの大型制度では、行政や専門家の伴走支援を受けながら申請を進めるケースが一般的です。 なお、申請の際には補助金に詳しい専門家やコンサルタントの支援を受けることで、書類の完成度が高まり、審査通過の可能性を高めることができます。 |
プロテラスのデジタルサイネージの導入の流れ
デジタルサイネージの導入は、目的や使用環境によって内容が大きく変わります。
ここでは、プロテラスでの一般的な導入の流れをわかりやすくご紹介します。
1. お問い合わせ・ご相談
まずは、導入を検討している内容について、Webフォームやメールなどからお気軽にご相談ください。使用目的や設置場所、希望サイズ、納期などの条件をもとに、最適な機種やプランをご提案いたします。
特に以下の内容を事前に整理していただけると、よりスムーズな対応が可能です。
- 使用目的(広告・案内・演出など)
- 設置場所(屋内/屋外、壁掛け/自立型など)
- 希望サイズ・台数
- 設置希望日
- 必要なオプション(CMS、タッチ対応、ネットワーク配信 など)
お急ぎでない限り、基本的にはメールでのやり取りとなりますが、内容に応じてお電話させていただく場合もございます。
2. 機種・プラン提案〜お見積り
お問い合わせ内容をもとに、設置環境やご希望に応じた最適な機種・仕様・料金プランをご提案します。設置が複雑な場合や壁埋め込み型・球体LEDなどの特殊な形状のケースでは、現地調査を行うこともあります。
提案内容に問題がなければ、正式なお見積もりをご確認いただいたうえでご契約に進みます。万が一、設置条件に合わないと判断された場合は、再見積もりや別プランをご提案することも可能です。
3. ご契約・お支払い
プラン内容とお見積りにご納得いただけた段階で、契約手続きを行います。お支払い方法は、銀行振込が基本となります。契約締結後、納品と設置準備がスタートします。
4. 納品・設置作業
機材の納期は在庫状況により異なりますが、在庫がある機種であれば最短1週間程度、LEDビジョンなどの特注品は2〜3ヶ月、液晶ディスプレイであれば1ヶ月程度が目安となります。
設置作業では、実際の環境に合わせて以下の作業を行います。
- 設置位置の調整・レイアウト確認
- 電源・配線の確認と接続
- コンテンツデータのセットアップと表示テスト
特に屋外用や大型ディスプレイの設置では、弊社の専門スタッフが安全かつ丁寧に対応しますのでご安心ください。設置当日はお客様に立ち会っていただき、動作確認と最終チェックを行います。
このように、プロテラスではヒアリングから機器選定、設置までをワンストップでサポートしています。目的やスケジュールに合わせて、最適な導入プランをご提案いたします。
デジタルサイネージに関するよくある質問
デジタルサイネージとLEDビジョンの違いは?
デジタルサイネージは、映像機器を使って情報を表示する仕組み全体を指し、LEDビジョンはその中の「表示方式」の一つです。LEDビジョンは特に屋外や大型表示に適しており、高輝度・高視認性が特徴です。
サイネージの導入にはどのくらいの費用がかかりますか?
機種・設置環境・配信方式によって大きく異なります。小規模な液晶サイネージであれば数十万円から、屋外用LEDビジョンやインタラクティブ機器を含む場合は数百万円以上になることもあります。お見積りは無料ですので、お気軽にご相談ください。
どの業種に向いていますか?
小売店・飲食店・商業施設・オフィス・公共施設・イベント会場など、さまざまな業種で活用できます。
使用目的(販促・案内・演出など)に応じて最適な表示方式・設置形態をご提案します。
運用が難しそうで不安です
ご安心ください。弊社のクラウドCMSのSiGを導入すれば、ブラウザから簡単にコンテンツ更新が可能です。
また、導入時のレクチャーやサポート体制も整えており、誰でも扱える運用体制をご用意しています。
補助金は利用できますか?
はい。中小企業や自治体を対象に、複数の補助金・助成金制度が利用可能です。活用例としては、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、デジタル田園都市交付金などがあります。
制度によって申請条件や時期が異なるため、導入前にご確認下さい。
まとめ
デジタルサイネージは、液晶・LED・プロジェクションなど多様な表示方式があり、配信方法もスタンドアローン型やネットワーク配信型、インタラクティブ型など目的に応じて選択が可能です。
業種や設置場所によって最適な運用方法が異なるため、「何を」「誰に」「どこで」伝えるのかを明確にした上で導入を検討することが成功の鍵となります。
また、CMSやSTBなど必要な機器構成や通信環境、コンテンツ更新の体制構築も重要なポイントです。さらに、活用できる補助金制度を上手く利用することで、コストを抑えて導入することも可能です。
プロテラスでは、機器選定から設置・運用まで一貫してサポートしており、導入前のご相談も受け付けています。導入に迷ったら、まずはお気軽にお問い合わせください。
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